2008年9月30日火曜日

大人の紺ブレ


 靴に続いては、ジャケット類を紹介したい。アイビーファッションと言えば、紺のブレザー、通称紺ブレを取り上げざるを得ないだろう。紺のブレザーに組み合わせるトラウザーズは万能ミディアムグレーが無難だ。足下はモンクストラップ、スリップオンなどのカジュアルな雰囲気の靴を組み合わせれば良い。シャツは白が基本だと思うが、ライトブルーや場合によってはイエローなども組み合わせることができる。
 大人の服飾として、気をつけて欲しいのはタイだ。ストライプのタイは高校生の制服のように見えるので避ける方が良いと思う。単色や小紋のタイなどを組み合わせたい。昔は、黒いブレザーが流行っていた。ミディアムグレーもしくはチャコールグレーのトラウザーズと黒いブレザーを合わせ、白いボタンダウンシャツで黒いニットタイをするのがおしゃれだった。靴は黒いスリップオン、場合によってはデザートブーツを組み合わせたりしていた。
 今では、黒いブレザーそのものを見かけることはほとんどない。今、そういう格好をすれば、逆に新鮮に見えるのではないかと私は思っている。正統派のブレザーと言えば、胸はパッチポケットでそこへエンブレムをするのがおしゃれだった。
 今はそういう格好では高校生の制服になってしまう。従って、胸のポケットはパッチポケットである必要はない。タイもストライプのタイにこだわる必要などはないと思う。

2008年9月27日土曜日

シューズ、シューズ、シューズ!!!


 専門家によれば、靴のお手入れの考え方の基本は肌のお手入れと同じ考えということである。グーグルで「革靴 手入れ」で調べると参考になる記事がたくさん出てくる。詳しいことは専門家によるそういうサイトを参照されたい。改めて、勉強させていただき、私も参考になった。日頃の簡単なケアで、たいていのトラブルは防げると思う。
 靴のお手入れは、肌のお手入れと同じだこれは解りやすい考え方だと思う。出かける前に化粧をして、帰ってきたら化粧を取る。靴も出かける前に保革クリームを塗り、4回ほど履いたら、そのうち1回は塗り重ね続けていたクリームを取ってやれば良い。
 クリームを重ねるのは、化粧を落とさずに化粧を重ねるのと同じこと。通気性が悪くなり、ひび割れなどの原因になりかねない。逆に全くお手入れをしなければ、水分や油分不足で革が硬化したり、汚れが落ちにくくなってしまう。
 いずれにせよ、靴はファッションの基本である。お気に入りの靴を選び、きれいに磨いて、大切に長い間使いたいものだと思う。

2008年9月24日水曜日

楽々、スリップオン


 スリップオンは文字通り、「滑り入れて履く」という意味になる。かつては、コインローファとかペニーローファとか呼ばれていた靴が最もおしゃれなものだった。この名前の由来は1ペニーの硬貨を靴の甲にある飾りのところにはさんで入れることが出来たということにあるらしい。アメリカにいた頃にトライしたことがあるが、良くわからなかった。
 我々が若い頃はコインローファを履いているのは、おしゃれな人たちであり、ある意味、その頃のおしゃれな連中というのは、即、不良というイメージがあった。特に高校生の頃はそうだった。ところが、今はどうだ。コインローファが高校生の制定靴になっているような高校も良く見かける。
 ここまで来るのには、20年以上かかっている。高度成長期からオイルショック、バブルをはさんでしゃにむに勉強し、働くというだけの価値観が変わってきたということなのかも知れない。ここでは、あえてコインローファを取り上げない。ここでのテーマは大人の服飾である。既に制定靴として定着して来ているコインローファを取り上げるのは意味がないと思うからである。
 その代わりのスタイルとして、コインローファを少し変形したスタイルをスリップオンとして紹介したいと思う。スリップオンタイプの靴は前を紐で結ぶタイプとは異なり、カジュアルな印象が強い。様々なスタイルのものがあるが、シンプルなものが良いと思う。靴の甲の部分がメッシュになっていたり、飾りがついていたりしているものをよく見かけるが、長い目で見た場合には避けた方が良いと思う。

2008年9月23日火曜日

ちょっとカジュアル、デザートブーツ


 デザートブーツはモンクストラップと同様に様々なシーンでオールマイティーに使える靴である。
 特にカジュアルなシーンにおいて組み合わせ易く、ビジネスシーンにおいてもあまり違和感のないスタイルを演出することが出来る。このような場合には強いて言うと、例えば翌日が休日となる週末の金曜日などに向いているスタイルになるかと思う。
 私の場合には(ほとんどの人も同様だろうが)、デザートブーツはスーツに組み合わせる靴ではない。例えば、ヘリンボーンツィードのジャケットにミディアムグレーのトラウザーズを組み合わせるような格好の場合に黒のデザートブーツを組み合わせることが多い。
 こういう格好の場合にはデザートブーツは場合によってはバックスキンやスェードと呼ばれる裏地の革でも良い。モンクストラップも同様だが、間違ってもこういう格好の時に白いスポーツソックスを履いたりしないことである。学生の頃とは違うのだ。
 足下は意外に目立つものでもある。より引き締まった印象を与えるためには、黒い靴には黒い靴下を合わせれば良い。茶色系の靴の場合には同様に茶色系の靴下を合わせれば良いと思う。黒い靴下の場合はごく普通の黒い靴下を合わせる。間違っても、女性が履くストッキングのような薄手の靴下は履かないことである。茶色系の靴下の場合には色の濃淡は靴の色に合わせて調整すれば良い。

万能、モンクストラップ


 最近、ビジネスシーンで良く見かける靴にモンクストラップがある。
 この手の靴がビジネスシューズになるとは思ってもいなかった。元々はデザートブーツの上をちょん切ったようなカジュアルな印象の強い靴だったのだ。従って、色は黒やバーガンディなんていうのは皆無。ライトブラウンで革を縫う糸がくっきりというものだった。
 もちろん、靴の底はラバーソール。ちょっとしたお出かけにはすごく合わせやすい靴だった。チノパンやジーンズなどと組み合わせて上質でかつカジュアルな雰囲気を出すことが出来た。それが今はれっきとしたビジネスシューズなのだ。
 これは私の個人的見解だが、おそらく、プレーントゥやストレートチップといったなかなかアクセントをつけづらいこれまでの靴と比べてモンクストラップは足下にアクセントがつけ易いのだろう。しかもフォルム的にはカジュアルな雰囲気のものだから、スーツにもジャケットにも合わせ易い。ある意味、万能シューズと言えないこともない。
 そういう良さがこのモンクストラップにはあるのだろう。だから、人気があるのではないかと私は思っている。逆に言うと、やはりビジネスシーンにおける正統派の靴は、ウィングチップ、プレーントゥやストレートチップといった靴であり、そういう靴を履きこなすのが本当のおしゃれなのではないかとも私は思っている。

ハンサム、ストレートチップ


 ストレートチップはプレーントゥに近いフォルムの靴である。違うのは、直線状の飾りがついていること。
 私は常々、思っているのだが、ストレートチップにせよ、ウィングチップにせよ、飾りそのものは単純であるにも関わらず、靴の素材との組み合わせで見事にオーセンティックな雰囲気を作り出していることだ。これまで、様々な飾りが考案され試されてきたのだろう。その中で生き残ってきたのであろうデザインには伝統の中で作られた重味を感じる。
 改めて、自分が持っているストレートチップを見てみるとやはり私は美しさを感じるのだ。このフォルムをベースにサドルシューズなどのデザインも生まれてきたに違いない。アメトラという言葉は少々、軽い呼び方であるような気がしている。
 アメリカントラディショナルということは、アメリカの伝統的ファッションということだ。伝統的ファッションになり得るためにはデザイナーのカテゴリーも確立されていない中で数多くの試行錯誤、競争を経て生き残ることが必要なのだろう。そのようにして生き残ったデザインは美しさを感じさせて当然なのだろうと思う。
 オーセンティックという言葉の持つ音感、響きは簡単にグッドとかナイス或いはビューティフルとか言う言葉にはない重味を感じるのである。

2008年9月22日月曜日

ベーシック靴、プレーントゥ


 ウィングチップについては先に語った通りである。もう一つ忘れてはならないマストアイテムとして、プレーントゥがある。プレーントゥは非常にオーソドックスなフォルムでほとんど飾り気のないものだ。
 従って、黒いプレーントゥをスーツと組み合わせて格好良く履きこなすのはなかなか難しい。逆にこの靴で上品なおしゃれさを引き出すことが出来れば、かなりセンスは良いと言えるだろう。靴のもたらす印象を控え目にして上質なスーツと組み合わせると非常に良いスタイリングが可能なのだが。数を着こなして行かないとそれはなかなか難しいだろう。
 ただ、物は考えようである。フォルムそのもので特徴が出せないならば、色や素材で工夫する方法がある。例えば、黒ではあまりにもオーソドックスだが、ライトブラウンやバーガンディのような色を使えば、普通のプレーントゥでもアクセントをつけ易くなる。素材にまで目を向ければ、バックスキンで赤いラバーソールのプレーントゥはなかなか良い代物だと私は思う。
 コットンスーツなどに合わせた場合に印象が固くない。かと言って、柔らか過ぎることもない。週末の旅行に向かう前の金曜日のファッションとして向いているのではないかと思う。当然、黒いバックスキンのプレーントゥも組み合わせによっては良いスタイリングが可能である。

基本ビジネス、ウイングチップ


 地元の高校を卒業して、傘貼り生活(浪人生活)を経た後に地方の国立大学工学部、大学院の修士課程を卒業して就職した。
 就職して最初のボーナスで買ったのは靴だった。女性が男性のスタイリングを見る時に最初に見るのは靴だという。詳しくは後述するが、様々な女性が異口同音にそのことを言っている。別にそういう女性の意見を意識したわけではない。ただ単に足元をすっきりとするのがおしゃれの第一歩ではないかと考えていた。
 私には以前から欲しかった靴があった。REGALのウイングチップで色は黒だった。ウイングチップの語源は足の甲の部分に開けられた穴と凸状の飾りのラインがその名前が示すように鳥の翼のようになっているから。とても重厚な感じで威厳を持つ印象を与える。ビジネスシーンには打ってつけのものだ。スリップオン(ローファー)などはそれほど高くもないし、ビジネスだけではなく様々シーンで使うことが出来るのでコストパフォーマンスが高い。が、ウイングチップと言えば当時の私の給料では高過ぎてなかなか買うことが出来なかった。
 勿論、アウトレットもなければ、ネットで買うなんてことも出来ない時代だ。当時は色々な場所にREGALの直営店があった。就職してから、私は吉祥寺に住んでいた。吉祥寺にはREGALの直営店があった。毎週、週末になったらウィンドウショッピングをするのが楽しみだった。いつも、その店へ行っては、「ボーナスが出たら買うぞ、ボーナスが出たら買うぞ」と念じながら見ていたものだった。
 冬のボーナスが出た時に迷わず目指していた黒のウイングチップとシューキーパーを買った。REGALと書かれた手提げの紙袋をアパートに持ち帰り、買った靴を何度も眺めた。とにかく憧れていた靴を手に入れることが出来た。そのことが嬉しくて仕方がなかったのだ。

2008年9月21日日曜日

そもそも、ファッションに目覚めたきっかけとは・・・


 ファッションに目覚めたのは多分、中学3年生の頃ではなかったかと思う。きっかけはある同級生に恋していたから。周囲と比べ、割りとおませな方だったのだろう。そういう女の子に注目してもらうためには、何かしら秀でたことがなければ、話が弾まない。Tall & Handsomeであれば良かったのだが、そういうことで差別化をすることができなかった。身長は低い方だし、華麗な顔の持ち主でもなかった。どちらかと言うと猪首で手足は短い方だ。どう見てもルックスで他の男子に差別化できるようなことは不可能だった。その分、ファッションセンスで自分をごまかす以外に方法はなかった。
 では、何故、アイビーファッションなのか?理由は簡単である。ほとんどの人はそうだと思うが、周囲にファッションフリークがいて、その影響を受けたことにある。それに加えて自分自身の趣味が一致したのだろう。私の場合はそれが従兄弟だった。その従兄弟は京都の府立高校から早稲田へ進学し、今はある会社の役員をしている。その従兄弟からVANのボタンダウンシャツを見せられ、心の底から格好いいと思ったものだ。今ではダサいと思っている白地にラインの入ったスポーツソックスですら、VAN JACKETとロゴが書かれているだけで憧れのアイテムだった。
 所詮は定められた制服の着用が義務付けられている中学生である。そういうロゴが入っている靴下の上に他の生徒が履いている白いズックとは違うカラーのバスケットシューズを履いて他の生徒との差別化を図った。この作戦はものの見事に成功した。私は、件の同級生とは見事にお付き合いを始めることができたのだ。
 二人だけで待ち合わせをしてボーリングへ行った。その子には入学した時から憧れていた。中学校の入学式の後、各々の教室に入った時にその子は教室の一番前に立ち、ずっと自分の座る席を探しているようにしていた。艶やかな髪、ほっそりとした脚、クリッとした大きな瞳を見て、私は生まれて初めて恋心を抱いていたのだと思う。彼女の私の印象は、「だって、おしゃれだし楽しそうな人だと思ったから。」ということだった。
 カラーのバスケットシューズ、たまに着る白いボタンダウンシャツ、白いラインソックスでそう思ってもらえたのだから、今から考えると安上がりなものだと思う。だが、たった一学期が過ぎた時点で彼女は、別の中学の男子とお付き合いを始め出していた。当時からルックスは抜群だったから、モテていたのだろう。その子との間は春先から夏休みまでの短い間でしかなかった。もう一度、彼女とお付き合いできないかなぁと私は思い、その間に貯めた小遣いでよりおしゃれに磨きをかけるべく、デザートブーツを買ったりしていた。

2008年9月14日日曜日

今の格好と昔の格好の相違


 アイビーファッションは確かに好きだが、若い時にやっていたファッションと今のファッションでは若干、異なる。

1.アイビーという形にこだわりすぎない。例えば、紺ブレの胸のポケットが必ず、パッチポケットでないといけないなんてことはない。

2.かと言って、あまりにもおじさんっぽいファッションは避け、若々しく見えることを心がけている

3.タイなどでワンポイントを強調する

4.トータルなコーディネートの中でカラーリングをする。

5.小物に気を使う。小物だけはブランド物にもこだわりがある